立部

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康熙字典 214 部首
穴部 立部 竹部
1 丿 2
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广
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7
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9
10 11 鹿
12 13 14 15
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立部りゅうぶは、漢字部首により分類したグループの一つ。 康熙字典214部首では117番目に置かれる(5画の最後23番目、午集の最後23番目)。

概要[編集]

立部には「立」を筆画の一部として持つ漢字を分類している。

単独の「立」字は立つこと、すなわち両足で体を支え、まっすぐ身体を起こすことを意味する。また「立てる」、すなわち、ものを地面に対してまっすぐに置くことを意味する。また抽象的な意味へと引伸して、ある段階を終えて新しい領域に入ること(成立自立立春…)、併存すること(存立・両立・乱立…)、設けること(建立・設立・創立…)、定めること(立案・立志・立法…)、人を重要な地位につけること(立坊・擁立…)などを意味する。

字源としては、「立」字は人が地面に立っている様を象る。[1][2][3]

「立」は意符としては立つことに関する文字に含まれることがある。これらは楷書では主に左の偏の位置に置かれる。また「辛」や「䇂」が楷書において省略されて「立」となった文字もある。なお近代になり西洋の自然科学用語が流入した際、日本では容量の単位であるリットルを「立」で表記し、「」(ミリリットル)「」(センチリットル)「」(デシリットル)「」(デカリットル)・「」(ヘクトリットル)・「」(キロリットル)といった和製漢字も作られた。

字体のデザイン差[編集]

」同様、印刷書体(明朝体)における「立」字の1画目には地域による差異がある。『康熙字典』はこれを短い縦棒とし、日本・韓国はこれに従う。一方、中国の新字形・台湾の国字標準字体・香港の常用字字形表ではこれを点画としている(「」と表記)。

部首の通称[編集]

  • 日本:たつ・たつへん
  • 中国:立字旁・立字頭
  • 韓国:설립부(seol rip bu、たつ立部)
  • 英米:Radical stand

部首字[編集]

例字[編集]

  • 1:
  • 5:一部
  • 7:
  • 9:
  • 6:
  • 7:
  • 15:

脚注[編集]

  1. ^ 張世超; 孫凌安; 金国泰; 馬如森 (1996), 金文形義通解, 京都: 中文出版社, pp. 2509–2512 
  2. ^ 季旭昇 (2014), 説文新証, 台北: 芸文印書館, pp. 782–783, ISBN 978-957-520-168-5 
  3. ^ 林志強等 (2017), 《文源》評注, 北京: 中国社会科学出版社, pp. 223–224, ISBN 978-7-5203-0419-1